第3四半期のNFT売上高、107億ドルに急増 前期の8倍超

世界のNFTマーケットは拡大の一途を辿っている。

DApp(分散型アプリケーション)に関するデータを集約・提供する「DappRadar」によると、2021年第3四半期(7~9月)のNFTの売上は、同年第2四半期(4~6月)の13億ドル(約1474億円)の8倍を超える107億ドル(約1兆2136億円)に急増した。また、世界最大手のNFTマーケットプレイス「OpenSea」では、同年8月の販売額が34億ドル(約3856億円)に達したという。

■2021年総販売量は132億ドルと推計


6930万ドル(約78億5000万円)で落札された「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」のオークションページ

DappRadarによれば、2021年のNFT総販売量は132億ドル(約1兆5000億円)と推計される。

NFTアイテムの過去最高販売額は、同年3月にクリスティーズのオークションで6930万ドル(約78億6500万円)で落札された、アーティスト「Beeple(ビープル)」の 「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」 と呼ばれるデジタルコラージュだ。米CNBCの報道によれば、落札者はシンガポールを拠点とする仮想通貨ファンドの「Metapurse」だったという。

ちなみに、これまでの美術品に関する最高落札額は、同じく米クリスティーズで2017年に落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチ「Salvator Mundi(サルバトール・ムンディ)」の4億5030万ドル(約510億6000万円)だった。

しかし 「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」 を落札したファンド「Metapurse」の共同設立者、TwobadourとMetakovanは米Forbesの取材に対して「このNFT作品は将来10億ドル(約1100億円)の価値を持つようになる」「かなりお得な買い物ができたと思う」と答え、資産価値にも自信を見せた。

■デジタルアートやNFTゲームが急伸


個別銘柄では、デジタルアートやNFTゲームに著しい成長が見られた。例えば、 米国でデジタルアート作品のNFTを販売する「Art Blocks」の1NFTあたりの平均取引価格は、7月の3,300ドルから9月には約15,100ドルまで急伸。約5倍に上昇した。


NFTゲームでは、ブロックチェーンをベースとする「Axie Infinity」が第3四半期の売上高7億7,600万ドルを記録。プレイすると仮想通貨を得られる「play-to-earn」ゲームとして人気を博した。