ブロックチェーンとDapp、22年のトレンドは「レイヤー2の高まり」

市場調査会社の「DappRadar」は1月19日、2022年のブロックチェーンとDapp(分散型アプリケーション)に関するレポートを発表。22年はロシアによるウクライナ侵攻や大手暗号資産取引所FTXトレーディングの経営破綻などが起き、市場は低迷傾向にあるが、Dapp業界の今後の見落としは暗くはないと分析した。

22年の1日あたりのユニークアクティブ ウォレット (dUAW) の数は前年比50%増で、平均237 万だった。22年のDapp市場で最も顕著なトレンドの一つは「レイヤー2ソリューションの高まり」という。「Ethereum」のレイヤー2ソリューションである「Optimism」 や 「Arbitrum」は、Dappの統合が大幅に増加し、それぞれ約600%増と約160%増と成長していた。

ブロックチェーンの健全性と成長性を判断する指標となりうる開発者の活動レベルは「Solana」と「Internet Computer(ICP)」が最も大きく増加。21年と比べてそれぞれ約1320%と約1050%増えている。注目すべきはSolanaの、FTXの経営破綻やSolana基盤の人気NFTコレクション「DeGods」のEthereumへの離脱を経ても、過去30日間のデイリーアクティブ開発者数が平均31.4%減少したのみという点。デイリーアクティブ開発者数は平均69人を維持しており「Solanaは依然として有望視されている」と分析している。

最もアクティブな開発者がいるブロックチェーンはEthereumで、次点は「Cardano」だった。Cardanoのアクティブ開発者数は前年比 26.47%増だった。

NFT市場は22年も大きな変革を遂げており、総販売数は1億100万で前年比67.57%増だった。トップシェアのチェーンはEthereumで、市場全体の21%、2120万件が流通している。

また、ブロックチェーンにおけるDappは長らくDeFi(分散型金融)が大半だったが、22年はその優位性が低下している。21年のトップチェーンはDeFi系アプリが全体の50~91%を占めていたが、22年は39~56%にとどまっている。

原因はNFTやゲーム系Dappの台頭で、22年のEthereum上におけるプロジェクトは、35%をNFTが占めており最多。「Tezos」もNFTの人気が大きく高まり、プロジェクト比は前年の0%から38%に上昇している。

「Polygon」は、21年にはプロジェクトの60%を占めていたDeFiジャンルが22年は21%に減少し、ゲーム系Dappが増加。Solanaも傾向は同じで、DeFiジャンルが43%から30%に減少している。

今後は、参入するプロジェクトが増加に伴いブロックチェーン間でのDappカテゴリの多様化も進むとみられる。NFTやゲーム系Dappの台頭は、この流れを明確に示していると指摘している。