米Coinbase、日本での取引停止と事業見直しを発表
西沢 裕子
2023/01/19
暗号資産交換業大手の米Coinbase(コインベース)は1月18日、日本での既存顧客との取引を停止すると発表した。日本事業の全面的な見直しを行うという。
市場環境の変化を受けての判断とのこと。日本事業からの全面的な撤退ではないという。法令に則り、顧客の法定通貨や暗号資産は分別管理をしており、資産は2023年2月16日まで引き出しできる。法定通貨の入金は、1月20日から取り扱いを停止する。
2月17日以降は、引き出されなかった顧客の暗号資産は自動的に日本円に変換し、法務局に供託する。16日までに日本円の引き出しが完了しない場合は、供託金から日本円を回収する必要がある。
Coinbaseは、昨今の“暗号資産の冬”や競業のFTXトレーディングの経営破綻などによる市場の低迷を受け、事業規模の縮小を表明している。10日には、全従業員の約2割に相当する約950人のレイオフを発表。採算性の低いプロジェクトを複数、停止するとも明かしていた。
同社のBrian Armstrong最高経営責任者(CEO)は同日に、FTX破綻による暗号資産業界への影響がこれからも拡大する可能性を指摘している。同社に端を発する規制が明確化されることにより「最終的には大きな利益がもたらされる」と主張する一方で「これらの変化が実を結ぶには時間がかかる。市場の低迷を乗り切り、いずれ訪れるかもしれない機会を捉えるためには、適切な業務効率を確保する必要がある」と、人員削減に理解を求めていた。
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