「ポケモン」開発元自称の豪企業、無許可のNFTゲームで提訴

2022/12/27
Kotiota Studios公式サイト

人気ゲーム「ポケットモンスター」関連事業を手がけるポケモンの子会社、The Pokémon Company International(TPCI)が、「ポケモン」のキャラクターを無許可で使用したNFTゲームの開発をめぐり、オーストラリア企業のPokémon Pty Ltdを豪連邦裁判所に提訴した。豪メディアのVooksが報じた。

Pokémon Pty LtdのウェブサイトやSNS上での「ポケモン」の商標使用とゲームの発売、「ポケモン」のIPを使ったNFTの販売停止などを求めている。同社は「ポケモン」のキャラクターが登場するPlay to Earn(遊んで稼げる)形式のNFTゲーム「PokéWorld」のリリースを発表。2023年1月に発売する予定だったという。

PokéWorldの開発を担当するのはKotiota Studiosという企業で、サイト上ではポケモンのパートナー企業であると明記。実績としてシリーズ作の「ポケモン スカーレット・バイオレット」や「Pokémon HOME」、未発表作という「ポケモン スリープ」の開発に携わったとも主張している。

PokéWorldの公式サイトでも、同ゲームの提供としてTPCIの名が記載されている。またKotiota Studiosは海外メディアに向けたリリース内で、「ポケモン」シリーズの開発元として同社も記載するよう要求。TPCIはそうしたメディアから問い合わせを受け、8月に事態を把握したという。

TPCIとポケモンはともに一貫して、Pokémon Pty LtdにIP使用や開発を許諾していないと明言している。またTPCIの弁護士は「TPCIとポケモン、(「ポケモン」販売元の)任天堂は、『ポケモン』のNFTは一切発売しないと決定した」とも指摘している。

12月21日に開かれた一審には、Pokémon Pty Ltd やKotiota Studiosの被告らは出席しなかった。裁判官は現時点で、ゲームやNFTの販売停止などの仮差し止め命令を認めているという。