Binance、資金洗浄で刑事告訴との報道に反論「無法地帯ではない」
米司法省が大手暗号資産取引所のBinance(バイナンス)と創業者兼最高経営責任者(CEO)のチャンポン・ジャオ氏を含む複数の幹部を、マネーロンダリング(資金洗浄)などの容疑で刑事告訴を検討していることがわかった。ロイター通信が12月12日に報じた。
Binanceを通した不正な送金が相次いだことから、司法省はBinanceに対し、マネーロンダリングの防止法や制裁措置を順守しているかについて2018年から捜査しているという。捜査には、マネーロンダリング・資産回収課(MLARS)、ワシントン州西部地区連邦検事局、国家暗号資産執行チームの検察官が携わっているという。すぐにでもジャオCEOらを刑事告訴するべきという声がある一方で、さらに証拠を集めて検討することを求める慎重派の唱える論も強く、司法省内部でも意見がわかれているという。
ロイターはまた、Binanceの弁護団がここ数カ月で、司法省の担当者と面会したとも伝えている。Binanceは、もし刑事告訴されれば、“暗号資産の冬”で低迷する業界がより混乱すると主張したほか、司法取引を含む話し合いも行われたという。
ロイターは6月、Binanceが17~23年の5年間で、約23億5000万ドル(約3100億円)の犯罪行為のマネーロンダリングに使用されたと報道。1月には、本人確認の強化を怠っているとも批判している。Binanceはそうしたロイターの報道内容を否定しており、この刑事告訴についても反論。過去1年間の金融サイバー犯罪への取り組みについて公表した。
Binanceは「21年11月以降、バイナンスは4万7000件以上の法執行機関の要請に平均3日で応じている。これは従来のどの金融機関よりも早い」と主張。内国歳入庁犯罪捜査部(IRS-CI)サイバー犯罪課や国税庁刑事局などの捜査機関の出身者を採用し、セキュリティーチームの人材を5倍にしたと記している。また世界各地の法的執行機関との関係を強化して、サイバー犯罪被害者へ数百万ドルの資金を回収しており「暗号資産は、メディアでよくいわれるような犯罪の道具でもなければ、法的機関との連携を拒む取引所に支配された無法地帯でもない」と述べている。
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