経産省、メタバース横断の「NFT実証実験」を実施

経済産業省は12月12日〜19日、複数のメタバースをまたいで「NFTオブジェクト」を活用する企画の実証実験を行う。7月に公表された「Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業」のイベント第1弾となる。「現状、複数の異なるメタバースプラットフォームを連携する事例はほぼ存在しない」(経産省)とされることから、どのようなユーザー体験が得られるか注目される。

今回、実証実験の対象となるメタバースは、monoAI technology社が提供する「XR CLOUD」とSynamon社が提供する「SYNMN(シナモン)」。また、BeyondConcept社がXR CLOUD上に構築した「MetaaniLand」で、メタバースに関するイベントを開催する。

■ 一つのNFTで複数のメタバースに入場可能

参加ユーザーは、実証実験用のNFTオブジェクトを所持することによって、ウォレット連携を通じて、XR CLOUD上のMetaaniLandで開かれるイベント(12月12日20時〜21時)に参加できるとともに、SYNMN上に設けられた特別展示スペース(12月13日〜19日)にも入場できるようになる。一つのNFTオブジェクトで複数のメタバースプラットフォームに出入りできるようにするのが、従来にはない試みだ。

XR CLOUDでのイベントは先着制で、参加者の上限は30人。クリエイターやメタバースの未来に向けたディスカッションなどが予定されている。SYNMNでの展示スペースにはデジタルアイテムが陳列される予定だが、今回のNFTオブジェクトのホルダーで、XR CLOUDでのイベントに参加した人しか入室できない。

これら2つのメタバース空間に入室したユーザーにはアンケートを実施して、NFTオブジェクトを会員権としたイベントのあり方やプラットフォーム間の相互運用性などについて、フィードバックをもらう予定だ。

同省は、この実証実験で得られた課題やユーザーからのフィードバックを踏まえて、「クリエイターや一般ユーザーの参加障壁を把握し、解決していく」ことを目指す。その上で、メタバースやWeb3.0領域におけるクリエイターエコノミーの発展に向けた施策の検討を進めていく。