経営破綻のFTX日本法人が年内出金再開へ、独自システム開発

2022/11/22

経営破綻した大手暗号資産取引所FTXトレーディングの日本法人であるFTX Japanが、現在停止されている資産の引き出しの年内再開に向けて準備を進めていることがわかった。NHKが報じた。顧客の資産を出金するための独自のシステムを開発中だという。

FTXは11日、日本法人を含む約130の関連企業が、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請し、経営破綻している。FTX Japanは「親会社の方針」で、ユーザーに明確な理由を説明することなく、再開日程を明示しないままに暗号資産と法定通貨の出金を一時的に停止。一方で、ユーザーからの財産の受け入れや暗号資産取引は継続していることから10日には、関東財務局から1カ月間の業務停止と業務改善を求める行政処分が下されている

FTX Japanは出金できなくなっている理由を「(停止している)FTXと同じシステムを使用しているため」と説明。打開のため、日本法人独自のシステムを開発している。

FTXは19日、一部の事業の売却手続きに着手。関連会社の多くは財務上、支払い能力があるというが、FTXの新最高経営責任者(CEO)であるJohn J. Ray III氏によると日本法人は債務超過で、売却が検討される見通しという。

FTX破綻の影響は全世界規模に及んでおり、日本法人のみが独自の出金が可能なのかについて、日本法人日本とNY州の弁護士資格を持ち暗号資産に詳しい髙田誠弁護士は「米国法におけるチャプター11の申請の対象に日本法人も含まれていても、日本国内においてはあくまで日本法が優先される。そのため、FTX Japanが法令に則って顧客資産を国内で管理していれば、同社が日本で倒産法の手続きを開始しない限り、法定通貨と暗号資産はともに返金を受けられる可能性は高いといえる」と解説。一方で「FTXグローバルの口座保有者の海外資産については、不正流出などで実質的に返金を受けることは難しいかもしれない」と指摘している。

日本の金融庁登録事業者は資金決済法で、利用者から預託された金銭や暗号資産は、運営事業者自身の金銭や暗号資産と分別した管理が定められている(63条の11第1項、2項)。また、利用者から預託された暗号資産の秘密鍵は、原則としてインターネットから切り離されたコールドウォレットで管理する必要がある(同第2項、暗号資産交換業者に関する内閣府令第27条3項)。アメリカの債権者などが日本に赴いて保全処分の申請などをしない限り、返済や出金は、国内法に則って優先される。