FTX経営危機が国内波及、出金停止で日本法人に行政処分

大手暗号資産取引所Binance(バイナンス)による競合FTXトレーディングの買収騒動は、同社子会社である日本法人FTX Japanにも波及している。FTX Japanによる暗号資産と法定通貨の出金が一時的に停止され、関東財務局は11月10日、同社に1カ月間の業務停止と業務改善を求める行政処分を行った。

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Binanceは11月8日にFTXを買収すると発表したが、FTXのデューデリジェンスの結果、財務状況が厳しく「私たちの管理や支援能力を超えている」と翌9日に撤回。FTXの発行するトークン「FTT」の価格も急落し、同日午後にはユーザーによる資金の引き出しが停止された。

FTX Japanも9日に、FTXトレーディングの方針として、暗号資産と法定通貨の出金を一時的に停止。「お客様からお預かりした暗号資産はコールドウォレットにおいて、法定通貨は信託口座において分別管理を行っております」として、出金の再開については、改めて案内すると発表していた。それにより日本国内でも資産が戻ってくるか心配する声が相次ぎ、FTX Japanの公式ツイッターには「早く出金再開して」「我々の資産は守られているんだよね?」といったリプライが殺到した。

そうした事態を受け、関東財務局は10日、FTX Japanに対し1カ月間の業務停止命令と業務改善命令を下した。処分理由には、親会社の方針でユーザーに明確な理由を説明することなく、再開日程を明示しないままに法定通貨の出金や暗号資産の出庫(出金)を停止した一方で、ユーザーからの財産の受け入れや暗号資産取引は継続していることなどが挙げられている。

処分を受けてFTX Japanは同日、新規口座開設や現物取引の停止、法定通貨の入金や暗号資産の入庫(入金)の停止(追証に対応する場合は可)、新規のパーペチュアルや四半期先物取引、それらデリバティブ取引に関わる証拠金などの預託の停止(決済取引のみ可)など4項目について、すみやかに実施すると発表した。

11日午後には、日本円の出金サービスが再開。暗号資産の出庫サービス再開にも「全力で取り組んでいる」という。停止中に依頼した出金は「リクエスト済み」の状態で、いったんユーザー側でキャンセルする必要があるとのこと。

一時ウェブサイトの不具合により、出金依頼はアプリかAPIで行う必要があったほか、ウォレットページのバグにより、正しい残高が表示されないトラブルも発生した。公式サイトによると、いずれも11日午後4時現在で解消している。同日午後、FTX Japan広報へ電話取り合わせをしたが、応答はなかった。