米ユニバーサル・ミュージック、BAYCのバンドにNFTのマネジャー計画

2022/03/24

米大手音楽会社ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)のレーベル「10:22PM」が、2021年に人気NFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」の「NFT#5537」を購入していたことがわかった。価格は125ETH(約4300万円)という。またNFTのキャラクターを、バーチャルバンド「KINGSHIP」のマネジャーにする計画も公表した。

「10:22PM」 は2018年に発足した、新進アーティストやデジタルクリエイター、ブランドなどの発掘や育成を目的とする次世代向けレーベル。音楽のみならず、NFTやメタバース上のライブなども展開している。KINGSHIPは21年11月に10:22PM から立ち上げられた、BAYCの4キャラクターで構成されるバーチャルのバンドで、10:22PMレーベルの創設者であるCeline Joshuaは立ち上げ時「メタバースにおける音楽やイベントを通して、コミュニティーやユーティリティーを構築する。そして世界中の観客たちを楽しませることで、KINGSHIPのApes達に命を吹き込んでいく」と話している

10:22PMは、購入したNFT#5537のキャラクターをKINGSHIPのマネジャー「Noët All」として商業的に活用するという。Noët Allは、BAYCイラストにアニメーションが追加されているのが特徴で、10:22PMによると、今後音声やストーリーなども追加していく予定とのこと。

BAYCは「Bored Ape(退屈した猿)」をモチーフとした全1万点のNFTコレクションで、2021年4月から販売している。21年9月にはオークションハウス大手サザビーズで、101点のNFTコレクションが2440万ドル(約26億8000万円)で落札されるなど、最も人気のあるNFTプロジェクトの一つといわれており、米スポーツメーカー大手のadidasなどともコラボレーションしている。NFTの保有者へ商業的な活用も認めており、Bored Apeを用いたプロダクトなどを自由に行うことができる。また3月9日には、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、1億円相当のイーサリアムをウクライナ政府の公式ウォレットに寄付したと発表している。

UMGは3月、米音楽誌ビルボードともに環境に優しいブロックチェーンを活用したNFTベースのデジタルコレクタブルプロジェクト「ChartStars」を立ち上げ。作品は5月に発売される予定という。また21年12月には、アバター開発企業Genies(ジーニーズ)との提携を発表。それまでジャスティン・ビーバーやリアーナなどのUMG所属の人気アーティストがアバター作成を個別にGeniesと契約していたが、同社所属の全アーティストがアバターを持ち、関連するNFTも開発している。