「暴走東京」渋谷スクランブル交差点をハック XR×NFTの仕掛け人に聞く

東京・渋谷のスクランブル交差点を舞台にして、今までにない“都市型XRエンターテインメント”が出現する。10月15日から約1カ月間にわたって展開されるプロジェクト「渋谷スクランブルレイヤー」だ。
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)といったXRのコンテンツを配信できるプラットフォーム「STYLY」のスマホアプリを起動して、渋谷の街に向けてスマートフォンのカメラをかざすと、渋谷センター街の入り口に立つ「QFRONTビル」がスロットマシーンに変貌して動き出す。
日本のカルチャー発信地・渋谷のスクランブル交差点。その上にリアルとバーチャルが融合した不思議な空間が現れる。しかも、その空間をNFTとして購入できるというユニークな試みだ。
このプロジェクトは、STYLYを開発する「Psychic VR Lab」と日本発の注目のNFTブランド「BŌSŌ TOKYO-暴走東京-」、香港を拠点にグローバル展開するWeb3企業「MADworld」がコラボレーションして進めている。
世界的にも珍しいプロジェクトは、いったいどんなコンセプトで生まれ、どのように展開していくのか。Psychic VR LabとBŌSŌ TOKYO、MADworldのそれぞれの担当者たちに語ってもらった。
■QFRONTビルを「スロットマシーン」にしたワケ
ーー「渋谷スクランブルレイヤー」とは、どんなプロジェクトなんでしょうか?
MADworld–Head of Japan・Ten-Chan:今回はPsychic VR Labが「METADIMENSIONS」という新しいプロジェクトを立ち上げて、XRの空間をNFTとして販売するという世界初の試みを展開します。その第1弾として、渋谷のスクランブル交差点で、MADworldとBŌSŌ TOKYOのコラボレーション企画を実施することになりました。それが「渋谷スクランブルレイヤー」ですね。
Psychic VR Labのプロデューサー兼ディレクター・Discont:METADIMENSIONSは、リアルな都市の上に新しいデジタルのレイヤーを重ねて、そこにいろいろな作品やコンテンツを載せていくことで空間の価値を高めていこうというプロジェクトです。まず渋谷のスクランブル交差点から始めますが、将来的には大阪とか福岡とか日本全国に広げていきたいですし、ニューヨークやロンドンなど海外にも広げていきたいと思っています。
ーー渋谷のスクランブル交差点に面しているQFRONTビルが、XRの技術で「スロットマシーン」になるというのは斬新ですね。

BŌSŌ TOKYOのクリエイティブディレクター・アフロマンス:ARやXRの企画って世の中にいっぱいあるんですけど、技術的にどうすごいかというのは一般の人になかなか伝わりにくい。そこで、一般の人もXRを体験したくなるような動機付けをどう作っていくか、ということを考えていったときに「QFRONTをスロットマシーンにしたら面白くないっすか」というアイデアが出てきたんです。
Ten-Chan:ビルをスロットにしてしまうというのは現実の世界だとおかしいんですけど、XRの世界で実施することによって、クレージーな雰囲気をリアルに体験してもらう。バーチャルなのにリアルに体験できるというのが、この企画のコンセプトですね。
アフロマンス:今回のスロットマシーンは、BŌSŌ TOKYOのイラストを描いている天神英貴さんにお願いしたんですけど、「なんかクレージーで面白い」と言って、すごいスピードで描いてくれて。しかも天神さんしか描けない独特のテイストで。
■リアルとバーチャルの世界をシームレスに行き来する
ーー斬新なデザインのスロットマシーンですよね。
Ten-Chan:きっと渋谷のスクランブル交差点で見た人がワクワクするようなものになっていると思います。 なので、これまでXRとかにあまり親しみのなかった人にも体験してもらって、実際に感じてもらうというのが重要かなと。
アフロマンス:面白いのは、スクランブル交差点に行かないと体験できないということ。
Ten-Chan:そういうリアルとバーチャルの世界をシームレスに行ったり来たりするというのが、Web3的にも重要な概念なんですよね。
アフロマンス:たとえば、XRで表示されているスロットが回って、目がそろったとするじゃないですか。それで終わりではなくて、その画像をスクショで撮って、Twitterにアップすると抽選でNFTが当たるとか。ARとかXRの枠を超えて、現実の世界で何かもらえたりするという仕掛けも考えられるんですね。
ーーすごく面白い発想の企画だと思うんですが、その分、技術的な面で苦労があったのではないでしょうか?
Discont:これは「METADIMENSIONS」の初めてのプロジェクトなので、やっぱり技術的な検証は難しいところがあって、実際に作りながら試していくという感じです。XRの面白さを引き出すためには、現実とどれだけ自然にリンクしてるかというのがすごく大事。今回も、XR上のビルの看板が現実の看板の形とあうように工夫して作っています。
Ten-Chan:制作陣が本当に優秀で、みんな頑張ってくれています(笑)
アフロマンス:XRの面白さという点でいうと、実はスロットのほかに「隠し要素」があって、画面上のある部分をタップすると何か変化が起きるということがあったりします。
Ten-Chan:そういったものも含めて1カ月間は遊ぶことができるので、実際にスクランブル交差点に来てもらって、そこでの体験をシェアしてもらいたいですね。
■地球の空間軸とひもづいたNFTを購入するという「新しい体験」
ーー今回のもう一つのポイントは「空間のNFT化」ということですが、これはどういうものでしょう?
Discont:たとえば、この空間の中に3Dのフィギュアとか、XRのステッカーがあって、それを個別にNFTとして購入できるということですね。都市の中に存在するパブリックアートのようなオブジェクトをNFTという形で購入できるわけです。

ーーそういう試みは今までになくて、おそらく世界で初めてだろうということですね。
Discont:そうですね。NFTを地球の3次元空間にひもづけるという発想は新しいかなと思っています。たとえば、渋谷のビルの上にキャラクターが座っていたり、ビルをまたぐようにフィギュアがあったりする。そうやって空間とひもづいた形でユーザーがNFTを購入して、所有感を持てるというのが新しい体験になっています。
ーーでは、NFTのプロジェクトである「BŌSŌ TOKYO」から見て、今回の企画はどんな意味がありますか?
アフロマンス:BŌSŌ TOKYO自体は2次元のPFPアートというだけでなく、最終的にはメタバース時代のアイデンティブランドになることを目指しています。今後はメタバースでアーティストとコラボレーションして音楽イベントを開いたり、リアルなファッションにも力を入れたりしていきたい。そういう「リアルとバーチャルを一気通貫するブランド」にしていこうと考えているので、今回のようなリアルとバーチャルを往来するような取り組みはど真ん中というか、ぜひやりたいところで、すごく面白いなと思って参加しています。
ーー今はまだ、3次元のメタバースの中でNFTを買ったり使ったりするというスタイルは一般化していないと思いますが、今回のような形で「XRを体験しながらNFTを購入する」というのは、過渡期の試みとして面白そうですね。
アフロマンス:実際のところ、XRを作ったらみんなが見るかといったら、何か動機がないと見てくれない。そんな中で「渋谷のスクランブル交差点をXRでハックする」というのは、すごいモチベーションになるし、これがいろんな街でどんどん展開されていくとしたらワクワクする。
Ten-Chan:そうですね、本当に。「あ、うちの街にも来た。やりたい!」みたいな感じで、XRを体験するためにその街に行くということが起きていったら面白いですよね。
アフロマンス:日本全国のいろんな場所に行って、そこでしか見れないXRとか、そこでしかゲットできないNFTとかがあって、旅をしながら集めていくとか。
Ten-Chan:そこに行かなければ手に入れられない限定品みたいなものですよね。
アフロマンス:NFTが旅行先のお土産くらいカジュアル化していくと面白いですよね。旅行に行ったら記念写真を撮るのが当然なように、行った先でその街のXRを楽しんで、そこのNFTをお土産として買っていくのが当たり前になっていくみたいな。5年後くらいにはそうなっているかもしれない。
■第2弾、第3弾のコラボ企画も準備中
ーーいろいろな可能性がありそうですが、今後の展開はどう考えているでしょう?
Ten-Chan:このプロジェクトと同じタイミングで、MADworldの関連会社のRAX Worldがスノーボーダーの平野歩夢さんのフリーミントNFTを発行するんですが、今回のイベント用に特別枠として100個用意して、抽選でお渡しできるようにしています。
Discont:METADIMENSIONSは、BŌSŌ TOKYOとMADworldとのコラボを皮切りに、第2弾、第3弾という感じでいろいろなNFTブランドとコラボレーションしていって、みんなで渋谷のスクランブル交差点のデジタルレイヤーの価値を高めていけると良いかなと考えています。
アフロマンス:BŌSŌ TOKYOとしては、リアルなイベントをもっとやっていきたいと思っています。東京、大阪、福岡、そして上海とかで、音楽アーティストと絡めたイベントとかですね。こういうXRの体験とかけ合わせて、新しい音楽イベントにトライできたらいいなと思っています。
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