Animoca Brandsが「MotoGP Championship Quest」開発のWePlay Media買収

2022/09/20

香港を拠点とするWeb3.0企業Animoca Brands(アニモカブランズ)は9月16日、ロードレース世界選手権のMotoGPの公式ライセンシーであるXXL Racing LLCと、モバイルゲーム開発を手がけるWePlay Media LLCの株主であるWePlay Media Holdings LLCを買収したと発表した。WePlay Mediaの最高執行責任者(COO)であるGraeme Warring氏が引き続きWePlay Mediaを率い、Animoca Brandsのブロックチェーンカーレースゲーム「REVV Motorsport」チームと共同でブロックチェーンゲーム「MotoGP」を運営する。

WePlay Mediaは2014年、MotoGPに特化したロードレースゲーム「MotoGP Championship Quest」を開発するために設立。17年に発売された同ゲームのダウンロード数は5000万で、月間アクティブユーザー数は全世界で約120万人を超えている。

Animoca Brands は19年にMotoGPのパートナーになっており、MotoGPをベースにしたNFTを開発する権利を取得している。REVV Motorsportの一部として、MotoGPをベースにしたゲームプラットフォーム「MotoGPイグニッション」を運営。6 月には、22 年と 23 年に開催される複数の MotoGPグランプリのタイトルスポンサーを引き受けると発表している。

MotoGPの主催者のDorna Sportsが実施したファン調査では、回答者のうち16~24歳の79パーセントが週に一度以上、対戦型ゲームに参加。女性の回答者の68パーセント、アジア太平洋地域の回答者の54パーセントが、モバイルゲームに親しんでいることが判明しているという。Animoca Brandsは、このユーザーの関心の高さと市場の成長の可能性から、買収を踏み切ったとのこと。

買収完了後は、WePlay MediaのサービスをREVV Motorsportと統合し「Play-to-Earn(遊んで稼ぐ)」形式のゲームの提供を予定している。Animoca Brandsの共同創業者Yat Siu氏は買収に際し「MotoGPという素晴らしいスポーツのファンとの関係を強化し、メタバースと従来のゲームの両方で強力な露出を実現できる。REVV MotorsportのトークンとNFTプログラムをMotoGPモバイルゲームに組み込み、Web3.0戦略を実施するためのユニークなプラットフォームを得ることができる」とコメントしている。

Animoca Brandsは4月、ゲームやライブストリーミング関連のマルチプラットフォームメディア企業のEngine Gaming &Mediaから、フランスのゲーム開発企業Eden Gamesを買収。Eden Gamesは、パソコンやモバイル、コンソール向けに、「Need for Speed」や「F1 Mobile Racing」「Gear.Club」「Test Drive」「V-Rally」各シリーズなど、多数のレーシングゲームを開発しており、BMW、ブガッティ、ポルシェ、ロータス、パガーニなど、自動車業界を代表する30以上の有名ブランドと提携している。Eden Games のノウハウや技術を活用し、REVV Motorsportの新規タイトルの開発や、3月に運営を終了した「F1® Delta Time」に代わる新しいゲームなどの開発を明かしていた。