「Minecraft」はNFTの使用禁止、開発スタジオが意向表明

2022/07/21

米Minecraftが提供する人気ゲーム「Minecraft」の開発スタジオ、Mojang は7月20日、Minecraftのサーバー上でのNFTやブロックチェーンの使用を禁止すると発表した。Minecraftの画像などを利用したNFTの作成を許可しない意向も示した。

Mojangは「NFTは、プレーヤーに安全で包括的な体験を提供するというMinecraftの精神に反する」と声明を発表。Minecraftのサーバー運営者がカスタムオンライン体験を提供するために有料運営することは認めているが、NFTによって特定のサーバーへのアクセスが制限されてしまう可能性を危惧。「ブロックチェーン技術を当社のクライアントやサーバーアプリケーション内部に統合することは許可されておらず、ワールド、スキン、ペルソナアイテム、その他のMODなどのMinecraftインゲームコンテンツをブロックチェーン技術で利用して希少なデジタル資産を作成することはできない」と表明した。

MicrosoftやMojangと関係のないサードパーティーのプロジェクト「NFT Worlds」などがMinecraftをWeb3アップデートし、Polygonチェーンにカスタムサーバー上の仮想の土地などを販売している。Mojangは、そうしたNFTプロジェクトの存在が「ゲームのプレーから焦点を遠ざけ利益追求を助長し、プレーヤーの長期的な喜びや成功とは矛盾していると考えている」と補足。NFT Worldsはこれまでに約1億6300万ドル(約225億円)相当のNFTを取引している。

NFTに関連する投機要素の強い価格設定や、一部のサードパーティーによる信頼性の低いNFT、またNFT管理者が突然姿を消してしまう可能性などの問題点も指摘。「今すぐにMinecraftにブロックチェーン技術を実装する予定はない」と断言している。

4月にはMojangの開発者有志が、ゲームクリエーターへNFTを使用しないと誓約を求める署名運動を立ち上げたが、賛同したクリエーター数は数百人にとどまっている。また、Microsoftは2021年、ブロックチェーンゲーム企業Enjinと提携し、2月11日の「科学における女性と女児の国際デー」とタイアップしてNFTを無料で提供。提供されたNFTは、EnjinのMinecraft用サーバー「MyMetaverse」で使用することができた。