メタバース×eスポーツ「ATMOS」が約15億円調達

メタバース開発企業の米Atmos Labs(アトモス・ラボ)は6月13日、1100万ドル(約14億8000万円)を資金調達したと発表した。調達した資金は、同社が提供する仮想ゲーム「Atmos」の基盤の開発やコミュニティー育成、制作チームの拡張などに使われる。

NFT投資会社Sfermionが主導し、香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)などが投資に参加した。Atmosは2500年代の世界を舞台に、「Exo(エクソ)」と呼ばれるフライトスーツを着用して行うeスポーツレース「ExoGP」を組み合わせた「Play-to-earn(遊んで稼ぐ)」タイプのメタバースゲーム。仮想の土地「Land」を所有したり、そこから鉱物を採掘したりできる。

採掘した鉱物はNFT作成に使うことができ、それらを組み合わせてExoのカスタマイズも可能。作成したNFTやExoは独自マーケットプレイスで売買できるほか、大手NFTマーケットプレイスOpenSeaでの二次売買もできる。
Atmos Labsの創業者兼最高経営責任者(CEO)のKevin Beauregard氏によると、メタバース発のeスポーツであるAtmosは「実社会同様にメタバース上でも観客がレース観戦に集まる『進化系ゲーム』」。ゲームデザイン担当副社長Dylan Bushnell氏は「ゲームをプレーすることで価値を生み出し、オープンマーケットで売買できる資産を得て生まれるエコシステムを運営する仕組みづくりに注力してきた。自立できるゲームであることが何より重要である」と述べている。

数カ月以内に、第1弾プレー用アイテムの提供を予定している。また、現在はイーサリアムチェーンで開発しているが、他ブロックチェーンの導入も検討しているという。

eスポーツのメタバースゲームとしては、Atmos Labsへの投資にも参加しているAnimoca Brandsと子会社のGrease Monkey Games(グリース・モンキー・ゲームズ)が4月、メタバースをテーマにした新しいブロックチェーンモータースポーツゲーム「Torque Drift2」の開発を発表。またバンダイナムコグループは、人気コンテンツ「機動戦士ガンダム」でファンとつながるための新しい仕組み「ガンダムメタバースプロジェクト」で建設中の「esportsコロニー」で、eスポーツに特化したガンダム初のFPSゲーム「GUNDAM EVOLUTION」の22年内の正式稼働を予定している。