スクエニ、NFTゲーム開発や海外法人設立など事業戦略発表

2022/05/18
画像 Shutterstock

ゲーム大手のスクウェア・エニックス・ホールディングスは5月13日の決算説明会で、中期事業戦略を発表。ブロックチェーンゲームの開発や海外法人設立など、新規領域の施策を明かした。

スクエニはブロックチェーンエンタテインメント領域の推進施策として、2月に「ブロックチェーン・エンタテインメント事業部」を新設。また2021年10月から実証実験を行っていたNFTデジタルカード「資産性ミリオンアーサー」を3月に終了し、実績や手ごたえを踏まえてセカンドシーズンの制作を決定している。既存事業で培った開発や運営のノウハウを生かし、NFTビジネスにおける収益構造やNFT保有体験の可能性にチャレンジするという。

中期事業戦略では、ブロックチェーンゲーム・エンタテインメントの開発として、ブロックチェーンゲーム向け法規制の整理やガイドライン策定のイニシアチブやNFT経済圏・体験のスケーラビリティーへのチェレンジ、UCGやガバナンス、ギルドなどの専用FT発行と収益構造・コミュニティー設計、世界観やストーリーを重視したクリエーティブとNFTの新規ブランドやIPの立ち上げを掲げた。独自トークンの発行や管理、運用や、暗号通貨普及国へ向けゲームやサービスパブリッシング事業を展開する海外法人の設立や、コーポレートベンチャーキャピタル設立の検討をするという。

また、香港のブロックチェーン企業Animoca Brands(アニモカブランズ)や同社傘下のNFTゲーム「The Sandbox」、クラウドゲームソリューションなどを手がけるUbitusへの出資にも言及した。他ブロックチェーンゲーム企業へもグローバルで投資を検討するという。

スクエニは1月の年頭所感で松田洋祐社長が、従来の、一つの完成品としてゲームを提供しユーザーがプレーする一方通行の「中央集権型ゲーム」の提供に加え、ブロックチェーンゲームなど自律的な成長を可能とするポテンシャルを秘めている「分散型ゲーム」を取り込んでいくことを「今年以降の大きな戦略的テーマ」だと語っている。3月には、The Sandboxと提携。スクエニのロールプレイングゲーム(RPG)「Dungeon Siege(ダンジョン シージ)」をThe Sandboxに展開すると発表している。