人気NFTゲーム「Axie Infinity」で約764億円相当が不正流出

人気NFTゲーム「Axie Infinity」のサイドブロックチェーン「Ronin」から、17万3600 イーサリアム(約6億2500万ドル<約764億6000万円>)相当の暗号資産が不正流出したことがわかった。Axie InfinityとRoninを運営するSky Mavisが3月29日に明らかにした。現在、Roninでの取引は凍結されている。

不正流出したのは 23日で、2550万ドル(約31億円)のステーブルコインも盗まれたという。Sky Mavisの追跡によると、ハッカーは秘密鍵を不正入手して、Roninブロックチェーンとの送受信を検証するネットワークノードを侵害。
ユーザーからの、イーサが出金できないという問い合わせで発覚した。

現在、法的機関や調査会社と共同で、流出した資金の回収に取り組んでいるという。Sky Mavisは「ユーザーの資金の損失の確認を最優先で行っている」とコメント。Axie Infinity内で使用できる暗号資産のAXS、SLP 、RONは安全に利用できているとのこと。

Axie Infinity は2018年に公開。人気IP「ポケモン」からインスピレーションを得たといわれるモンスター対戦型ゲームで、NFTゲームトレンドを形成したパイオニアの一つ。「Axie」と呼ばれる仮想の生き物や土地のNFTの売買が可能で、韓国半導体大手のサムスン電子のベンチャーキャピタル部門「Samsung Next」などから資金調達もしている。

イーサリアムチェーンを採用しているが、人気急騰に対応するためサイドチェーンのRoninを開発、運用。Sky Mavisによると、ハッキングされたきっかけの一つは、21年に行ったネットワーク負荷の軽減のための機能とのこと。同社は対策を施したうえで、安全性が確認できたらRonin運用を再開すると述べている。

暗号資産の不正流出は、暗号資産取引サービス「Coincheck」を展開するコインチェックが18年1月、約580億円相当の不正流出を起こしたことが発覚。金融庁から2度にわたる業務改善命令を受け、同年4月にマネックスグループ傘下入りしている。