スクエニ松田社長,年頭所感でメタバースやNFT活用に意欲

ゲーム大手のスクウェア・エニックス・ホールディングスの松田洋祐社長が2022年1月1日に年頭所感を発表した。従来の、一つの完成品としてゲームを提供しユーザーがプレーする一方通行の「中央集権型ゲーム」の提供に加え、ブロックチェーンゲームなど自律的な成長を可能とするポテンシャルを秘めている「分散型ゲーム」を取り込んでゆくことを「今年以降の大きな戦略的テーマ」だと語っている。

松田氏は、2021年の「メタバース元年」「NFT元年」を経て、2022年は「いよいよ本格的なビジネスフェーズに移行し、様々なサービスが登場する年になる」と予想。ブロックチェーン技術に基盤を置くトークンエコノミーの進展で、従来は創作活動に対しての明確なインセンティブが存在していなかったUGC(User Generated Content=デジタルユーザー生成コンテンツ)の対価が可視化され、「より多くの人々が創作活動に携わり、没頭することで、一層ゲームが面白く成長する可能性が広がる」と期待を寄せた。

「Play To Have Fun(シンプルにゲームを楽しみたい)」から、昨今話題となっている「Play To Earn(遊んで稼ぐ)」形式、また大多数である「Play To Contribute(ゲームをより面白くするために貢献したい)」まで、ゲームに関わる動機はさまざまであり、中でも 「Play To Earn」のトレンドに対して一部で懸念の声があることも理解したうえで、多様なユーザーがゲームに関わることによる「自律的なゲームの成長」への期待も示した。

同社はNFTデジタルカード「資産性ミリオンアーサー」を2021年10月に実証実験としてリリース。11月には第2弾を正式リリースするなど、NFT参入へ既に積極的に動いている。

今回の年頭所感では、将来的には「自社トークン発行も見据え、事業展開を本格化させる」としており、「新しい面白さを提供することで、社会と人々の幸福に貢献」したいと述べた。