人気ゲームシリーズ「S.T.A.L.K.E.R.」最新作のNFT導入にファンが反発 翌日撤回

ウクライナに拠点を構えるゲーム開発会社GSC Game Worldが、人気シリーズ「S.T.A.L.K.E.R.」の最新作「S.T.A.L.K.E.R.2 Heart of Chernobyl」にNFT要素を導入することを発表した翌日に、ファンからの反対を受け導入を撤回した。

同シリーズは、1972年に発表されたストルガツキー兄弟のSF小説「ストーカー」をモチーフにしている。原発事故で封鎖されていたチェルノブイリ周辺地域で謎の爆発事故が発生。周辺に突如として現れたZONEという地域でお金を稼ぐ「STALKER」と呼ばれる傭兵集団の物語だ。2022年4月に発売予定の今作は、シリーズ4作目で12年ぶりの新作となる。

同社は現地時間12月16日に「NPC(NonPlayerCharacter=プレイヤーの操作対象ではないゲーム内の登場人物)を所有し、顔を所有者のものに変える権利」や手袋、タトゥーといったアイテムなどをNFTとして発売することを発表。一時はファンからの抗議に対して「実際のゲームプレイに影響しない範囲でNFTを導入する」と説明をしていたが、翌日にNFTの導入を全て撤回することとなった。

寄せられた意見を鑑みて、S.T.A.L.K.E.R.2にNFTに関連するアイテムの導入撤回を決定しました。ファンやプレイヤーの興味が私たちの最も優先するべきことであり、私たちはコストがどれくらいかかろうとも、皆さんが楽しめるゲームを開発しています。

公式Twitterより

NFTブームにのっとり、ゲーム内のアイテムなどをNFT化しようとする運営会社も多い。しかしそのゲームタイトルの既存のファンの中には、対価を支払ってNFTを購入しないとゲームが成り立たなくなることに反発するプレイヤーもいる。

例えば12月7日には、仏ゲーム大手のUbisoftがNFTプラットフォーム「Ubisoft Quartz」を立ち上げ、同社の人気PCゲーム「ゴーストリコン ブレイクポイント」のWindows版でNFTの扱いを開始すると発表した。しかしYoutubeで公開された同ソフトのティザー動画は高評価1583、低評価4万と、低評価率が約96%に。NFTを導入することにより、ゲームに金銭が直結することへの嫌悪感が背景にあると見られている。