アリババもメタバースに注力 加速する中国NFT

2021/10/31

11月11日は「光棍節(こうこんせつ)」。”1人”を連想されることから、中国では「独身の日」と呼ばれ、アリババが運営する ECプラットフォーム「天猫(Tmall)」や「淘宝網(Taobao:タオバオ)」などで一大セールが開催されることでも有名だ。2020年には740億ドル(約8兆5000万円)の商品取扱高を記録した同セールで、今年注目を集めているのが、NFT商品の販売である。

Tmallもメタバース参入、バーチャルアイドルが”顔”に 

「天猫(Tmall)」のモバイルアプリに、登場したのが、バーチャルアイドル「Ayayi」。彼女はその名の通り実在する人間ではないが、今後はアリババ集団の顔となり、NFTアーティストやデジタルキュレーター、ブランドディレクターといった様々な役割を果たしていく。いわばアリババ・メタバースの”顔”といった存在と言えるだろう。

Ayayi は、2021年6月に高級化粧品「ゲラン」がKOLとしてイベントでタイアップしたことでも話題となったが、「独身の日」に向けたNFT展覧会「Double 11 Metaverse Art Exhibition」をスタートさせる。8ブランドが限定コレクションを展示する中、特に注目されているのが、英国の高級ファッションブランド「バーバリー」だ。

「Ayayi」が登場した高級化粧品「ゲラン」のイベント(出典:インスタグラム @ayayi.iiiii)

「バーバリー」は、ファッション業界でもいち早くデジタル技術を取り入れており、2020年には中国・深圳にAR体験施設を備えたソーシャルリテールストアもオープンさせ、成功をおさめた。

2021年8月には、ブロックチェーンゲーム「ブランコス・ブロックパーティー」を運営するミシカル・ゲームスと提携し、NFTコレクションを販売。デジタルのビニール製人形「Sharky B」のNFTを30秒で750個完売させた実績がある。

「バーバリー」がミシカル・ゲームスと提携して販売したNFTコレクション「Sharky B」(出典:https://www.burberryplc.com)

「独身の日」に向けて、バーバリーはマスコットの鹿の3Dアニメーションを公開。この鹿と「Ayayi」の友情をコンセプトとしたNFTと、(現実世界で受け取る事ができる)限定スカーフのセットを1000個、2,900人民元で発売予定だ。このNFTセットは、Alipayのミニプログラムから購入することができる。

その他、ディオール、ロレアルなどのグローバルブランドも、自社でバーチャルアイドルを開発しており、現在ラグジュアリーブランドのバーチャルアイドルへの関心が高まっている事が分かる。

暗号通貨禁止でも高まるNFT熱

とはいえ、中国政府はNFTと同じブロックチェーン技術を活用した暗号通貨の流通を認めていない。

中国の中央銀行と国家発展改革委員会は、2021年5月以降、暗号通貨のマイニングを非合法化し、暗号通貨を使用したすべての取引を違法とした。果たしてNFTに関しては許容されるのだろうか。

アリババはこうした規制に抵触しないようにするため、独自のNFTマーケットプレイスを立ち上げ、クリエイター達に知的財産のトークン化を呼びかけている。中国の金融法に反することを避けるため、消費者が暗号通貨を使用せず、AlipayやWeChat payを通じて中国元で直接支払いを行えるように対策を打っているという。

NFTが世界各国で注目を集めている中、中国もその例外ではない。中国ではNFTの所有が今や一つのステータスシンボルとなっている。暗号通貨の使用禁止にも関わらず、NFT市場の発展は加速するばかりだという。