米クリスティーズ、NFTアート特化のプラットフォーム「Christie’s 3.0」立ち上げ

2022/09/29
Christie’s 3.0

米老舗オークションハウスのクリスティーズは9月28日、NFTアートに特化した新しいプラットフォーム「Christie’s 3.0」を立ち上げたと発表した。イーサリアムチェーン上でオークションの工程すべてが完結し、取引内容も自動的に記録されるという。

NFT発行プラットフォームのManifold、ブロックチェーン分析企業のChainalysis、メタバース関連会社のSpatialと共同で開発した。新プラットフォームでの最初のオークションも、同日から開催。ニューヨークを拠点に活動する新進気鋭のデジタルアーテイストでNFTキュレーターのダイアナ・シンクレア氏が、Christie’s 3.0のために特別に作成したという9点のNFTアートが出品される。入札期間は10月11日まで。

クリスティーズはTwitterで「Christie’s 3.0 は若いアーティストを見出して、国際的でデジタルに精通した市場に導く。洗練された安全なブロックチェーンネーティブのプラットフォームを介し、顧客を最高の NFT 市場に結び付ける能力を強化する」とコメントしている。

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クリスティーズはブロックチェーン領域に力を注いでおり、NFTアーティストBeepleの作品「Everydays – The First 5000 Days」や、Beeple初のフィジカル作品「HUMAN ONE」の競売では、それぞれ約75億円と約32億円で落札されている。2021年11月には大手NFTマーケットプレイスOpenSeaとの提携を発表。クリスティーズのNFTアートコレクションをOpenSeaで販売していくと表明していた。

競合の大手サザビーズもNFTに注力している。21年4月に、匿名のデジタルアーティストPakのNFTアートコレクション「FungibleOpenEditions」で初めてNFT作品を手がけ、3日間で総額約1700万ドル(約24億円)を売り上げたことを皮切りに、21年のNFT作品の売り上げは1億ドル(約144億円)を超えている。同年10月には厳選したNFTコレクションを取り扱う独自プラットフォーム「Sotheby’s Metaverse(サザビーズ・メタバース)」を開設。著名アーティスト、バンクシーのフィジカル作品のイーサでの入札受け付けや、人気NFT「Crypto Punks」100枚超販売している。