「アイリッシュ・マン」の著名映画プロデューサーがNFTで資金調達 ハリウッド初

アイルランド人映画プロデューサーのNiels Juul(ニールス・ジュール)氏が、全ての制作資金をNFTによって調達する映画「A Wing and a Prayer」を制作していることがわかった。ジュール氏は「ギャング・オブ・ニューヨーク」や「アビエイター」などのヒット作品で知られるマーティン・スコセッシ監督作品の「アイリッシュ・マン」でプロデューサーを務めたことで知られる。NFTによる資金調達で映画を制作することは、ハリウッドで初めての試みだという。

ジュール 氏はこの映画制作に合わせて、NFTによる資金提供を受ける映画制作会社「NFT Studios」を設立。NFT Studiosは9億円から11億円を調達する予定で、10000個のNFTを投資家に提供する。投資会社のNFT Investmentsが、すでに同スタジオに約1億1000万円を投資し20%の株式を得たという。NFTを購入した投資家には、利益の一部、映画の権利、プレミアショーへの出席、撮影現場の見学といった権利が贈られる。

現在のハリウッド映画界では、小規模の制作会社が大きな額の制作資金を集めることが難しい。ジュール 氏はNFTによる資金調達で映画制作を民主化することで、観客も映画の制作に関わることができ、大きな制作会社に有利な現状が変わることを望んでいるという。

「A Wing and a Prayer」は世界で初めて超軽量飛行機で世界を一周した実在する男性の物語。詳細は、2022年2月のベルリン国際映画祭で発表される。